【イベント開催報告】『男の産休、義務化されたらどうなる?~議員&専門家と一緒に考えよう~』

10月31日、参議院議員会館でのイベント「男の産休、義務化されたらどうなる?~議員&専門家と一緒に考えよう~」を開催しました。

 イベント全編動画は現在アップロード中! ぜひご覧ください!

私たちは、2017年1月から「#保育園に入りたい」というポジティブなキーワードと共に、待機児童の解消へ働きかけてきましたが、より子育てしやすい社会へ、一人ひとりが生き方を選択できる社会に向けて、保育園問題にとどまらない活動が必要と考え、この度『みらい子育て全国ネットワーク(miraco)』を立ち上げました。

男性の家庭進出の壁を低くしていくために何ができるのか。新たな会の初イベントとして「男の産休」をテーマに選び、ハフポスト日本版の竹下隆一郎編集長をファシリテーターに、労働政策研究・研修機構の池田心豪さんをゲストにお招きし、国会議員や都議会議員、参加者の皆さんとのトークセッションを行いました。

開催概要

【開催日時】
2018年10月31日(水)
11時15分 開場
11時45分 トークセッション
13時10分 ネットワーキングタイム
14時00分 終了(後、記者会見)

【開催場所】
・参議院議員会館 1階 講堂

【主催】
・みらい子育て全国ネットワーク

【参加者】
・総合司会: 「ホリプロ保育園」 安田 美香 えんちょー
・ファシリテーター: 竹下 隆一郎 氏 (ハフポスト日本版 編集長)
・専門家: 池田 心豪 氏 (労働政策研究・研修機構)
・政治家: 本テーマに関心の高い国会議員 12名
・当事者: 子育て当事者 パパ (育休取得経験者など)
・(C)グラッフィックレコーダー:清水淳子さん

トークセッション

12名の議員、50名を超える参加者の皆さんを前に、代表の天野妙より、miracoの活動概要やイベントの主旨について説明させていただきました。

私たちの議員会館でのイベントの司会者といえばこの方、ホリプロ保育園の安田美香えんちょー。議員会館という改まった場の空気をパッと明るくし、皆さんが発言しやすいムードを作ってくださいました。

冒頭、ファシリテーターの竹下さんから「産休、育休という家庭や個人の問題だったものに、政治が入りこまないと立ち行かなくなってきたのかもしれない。しかし、個人の問題と政治のバランスをどう取ってゆけばよいのか、イベントを通して考えていきたい。」と、ご自身の育休経験から感じたジレンマについての話がありました。

(C)グラフィックレコーダー:清水淳子さん

トークセッションのトップバッターとして、当会メンバー穂積から、本当は産休・育休を取りたいと思ってもなかなか取れない現状について、「男の産休を求める声」として問題提起させていただきました。
池田さんからは、育休どころか休暇すら取りづらい会社がある一方で、最近は休みを取りやすい会社も増えていることや、イベントタイトルにある「義務化」については、従業員からの育休の申し出があった場合には取らせないといけないとすでに法で決まっているという解説がありました。
ここまでの話を、グラフィックレコーダー清水淳子さんがまとめてくださったのがこちら。

イベントには、与党からも野党からも多くの議員が参加され、参加者の声に耳を傾け、感じたことを話していただきました。

実際に育休を取得された参加者の男性からの「職場の中でやはり休みを取りづらかった」という経験談に対して、山尾しおり議員は「風土も足りないけど、制度でもまだまだ不十分なところはある。法整備でやっていく必要がある。」と話されました。

長島昭久議員は「自分が子育てに参加できなかった懺悔の気持ちで子育て政策に取り組んでいる。」と話され、フィンランドの例や、雰囲気を変えるために政治家が育休を取るインパクトも必要だと語られました。

福島みずほ議員は「男性の意思も含めた働き方の問題として捉え、男女ともに子育てをすることを織り込み済みで世の中を作っていかなくてはならない。」と話され、生まれた直後のスタートから男性も育児をやることのメリットを自身の体験も交えて語られました。

堀越けいにん議員は、ぎりぎりでやっている現場の問題や苦労について触れ、「後ろめたい気持ちで休みをとる、悲しい現実をなくしていくために取り組んでいきたい」と話されました。

(C)グラフィックレコーダー:清水淳子さん

現場の話も出たところで、当会のメンバー小林から10か月の育休を取った経験談から、取ろうと思った経緯や職場とのやり取り、育休中に具体的に何をしたか、取ってよかったことなどを話しました。
ここまでの話を、グラフィックレコーダー清水淳子さんがまとめてくださったのがこちら。

ここで、池田さんから、育休取得率などの数字の話の前に、出産後に母親が動けない時に、ここが父親の出番だという社会的合意を作っていくことが必要との問題提起があり、そのためには父親初妊研修の制度化なども現実的な案ではないかという話がありました。

この話に対し、国会議員からも活発な意見がでました。
初鹿明博議員は、男の意識が変わる必要があるとして「子どもが産まれたら5日間休むことに対して事業主は拒否できないようにするなどの義務化が必要ではないか」と話されました。
桜井周議員は、「男性でも女性でも休むことが前提にならないと企業による女性の雇い控えにもつながる可能性がある」と話され、その点においても義務化が必要だと思うと語られました。

参加者からも次々と手が挙がり、「男の産休には賛成だが、意識を変えずに義務化した時に無理がでるので義務化には反対」という男性や、「取ってほしかったけど夫に取ってもらえなかった。まず義務化をして何が起こるかを検証しては」という女性も。「育休で抜けた人材を補填する制度や風土も整わない中での義務化には問題があるのでは。ほとんどの人が取るようになってからではないか」、「女性の母体保護の観点でも、男性の産休の義務化が必要では」、「育休・産休を取ることのメリットがもっと語られるようになってほしい」など、活発に意見が交わされました。

(C)グラフィックレコーダー:清水淳子さん

これに対し、玉木雄一郎議員は「義務化に踏み込むためには、休んでいる間の雇用主への支援もセットで考えて公的支援を設計する必要がある」と語られました。伊藤孝恵議員からは、義務化が導入されて1年目は混乱したが2年目にはなじんだリクルートの例を挙げ、「どんなメッセージよりも義務化の言葉が応援になる。パパクオータ制も含め、政治が為す役割は重い」と話されました。都議会議員の後藤なみ議員からは、男性が15日以上の育休を取った場合に企業へ300万円支援する東京都の制度について紹介され、「男性が父親になるための公的な支援も必要ではないか」と話されました。

「義務化」のパワーワードを契機にして次々と意見がでる中、「義務化は見方を変えると、出勤停止・自宅待機を命じられることを意味するので、強権発動の副作用も慎重に考える必要がある」との池田さんの話に、多くの方がハッとさせられました。
また、1つのアイデアとして、労働基準法改正により来年から従業員に計画的に年休を取らせることが雇用主の義務となるので、子どもが産まれた人は産後にその休みを割り当てるようにするという工夫もあるのではないか、と話されました。

ここまでの話を、グラフィックレコーダー清水淳子さんがまとめてくださったのがこちら。

(C)グラフィックレコーダー:清水淳子さん

話が尽きない中、矢田わか子議員から「産休の義務化から一歩踏み込んで、育休の義務化の議論も必要では」、
柚木道義議員から「育休にはお金・意識・制度の3つの壁がある。この壁を乗り越えるために皆で知恵を出し合っていきたい」との話があったところで、白熱のトークセッションが終わりの時間を迎えました。

(C)グラフィックレコーダー:清水淳子さん

清水淳子さんが描かれたグラフィックレコーディングに対して、こちらの4つの話題に対して、参加者のリアクションシールが多く集まりました。

トークセッションの最後に、登壇者・議員・参加者の皆さんと撮った集合写真がこちら。司会の安田さんからの「男のサンキュー(産休)!」の掛け声でみんな笑顔に。参加していただいた皆さま、そして最後までこの報告を読んでいただいた皆さま、どうもありがとうございました。